木苺と野いちごの魅力大解剖!種類別の特徴と見分け方ガイド
木苺ってどんなもの?
木苺とは
木苺は、バラ科キイチゴ属に属する植物の総称で、初夏に甘酸っぱい赤い実をつけるのが特徴です。市場ではラズベリーやブラックベリーとして知られ、ケーキやジャムに使われることが多く、鮮やかな赤色と爽やかな風味で親しまれています。また、木苺は品種改良によって栽培された食用種が中心で、甘味と酸味のバランスが絶妙です。
木になるいちごの総称
「木苺」とは、「木に実るイチゴ」の総称とも言えます。つまりバラ科の植物で、茎や枝が木質化し、一定の大きさの木になるイチゴ類を指します。ただし、私たちが一般的に食べるイチゴ(ショートケーキにのっているようなイチゴ)は、バラ科の植物ですが茎の性質が異なり、野いちごや木苺とは区別されます。
野いちごとの違いは?
「野いちご」は、その名の通り野生で自然に育つ木苺のことを指します。木苺の中でも、品種改良されていない野生種を野いちごと呼びます。野いちごは次のような特徴をもつことが多いです。
- 花びらの色や形が品種によって異なり、白く三角形の花びら(クサイチゴ)や黄色い花(ヘビイチゴ)がある
- 実は小さめで種がプチプチとした食感
- 味はほのかな甘みと酸味があり、甘さは控えめの場合が多い
- 観賞用として可愛い形状が魅力的だが、食用としてはあまり美味しいとは言えない場合がある
野いちごは食用として食べられることが多いものの、甘みが弱いなどで食用種との差があります。
代表的な木苺の種類と特徴
ラズベリー
ラズベリーはヨーロッパで古くから親しまれている木苺の一種です。16世紀頃からイギリスで本格的な栽培が始まり、今では多くの品種改良がなされています。ラズベリーの花は小さく清楚な白い花弁を持ち、実は赤く丸みを帯びた形で甘酸っぱさが特徴です。
味のバランスが良く、生食はもちろんケーキ、ジュース、ジャムなどへの加工にも適しています。種が細かいため、ジャムなど加工時には種を濾して食感を整えることが一般的です。ちなみに、フランボワーズはフランス語でラズベリーを指します。
ブラックベリー
ブラックベリーはツル性と立ち木タイプの二種類があります。ツル性のものはフェンスに這わせて育てられ、花は薄ピンクからピンク色です。実は初め赤色で成熟すると黒色に変わり、糖度が増すため食べ頃を見極めるのがポイントです。
味は品種によって異なりますが、甘味が強いものから酸味が強いものまで幅広く、芳醇な香りを楽しめます。無農薬でも育てやすい丈夫な植物で、家庭菜園やガーデニング初心者にも人気です。
クサイチゴ
クサイチゴは低い背丈(20~60cm)の野生種で、茎には小さな棘があります。全体に軟らかい毛が生えているのが特徴で、3~4月に小さな白い花を咲かせます。熟した赤い実は、酸味が少なく甘みが感じられ、食べることも可能です。木というより低木のような姿が名前の由来となっています。
ナワシロイチゴ
ナワシロイチゴは茎が木化していますが、立ち木タイプではなく他の草に覆いかぶさるような生育様式です。棘のある茎と葉の裏側に白い毛が密集しているのが特徴です。花は赤紫色でほとんど開かず、ほうずきのような独特な形状です。実は非常に酸味が強く、生食には適しませんが、ジャムなど甘味を加えて加工すると美味しくいただけます。
代表的な野いちごの種類と特徴
ニガイチゴ
ニガイチゴは本州、四国、九州に分布し、高さ1~2mまで成長する野生の木です。枝分かれが多く茂みのように生育し、棘のある茎が特徴的です。実の種がやや苦味を帯びますが、果肉は甘く毒はありません。食用も可能ですが、わずかな苦味が気になる方もいます。
モミジイチゴ
モミジイチゴは葉の紅葉が名前の由来で、晩秋から冬にかけて赤く彩られます。高さは最大2mにも達し、枝には鋭い棘が多くあります。味は上品な甘さで、野生種の中でも特に美味しい部類に入ります。
バライチゴ
バライチゴは名前のとおりバラのような大きな花を咲かせる野生種で、アメリカやヨーロッパでは観賞用として人気です。実は酸味が強いですが完熟すれば甘みが増して食べられます。日本では千葉県、京都府、鹿児島県、新潟県などでレッドリストに登録されており、採取は控えるようにしましょう。
ヘビイチゴ
ヘビイチゴは「ヘビ」が好む環境に成育し、またヘビがその実を食べる小動物を狙うとされて名付けられました。実は生食可能ですが甘味が薄く美味しくはありません。小さな赤い実が可愛らしく、鑑賞用として楽しまれています。
野いちごには毒がある?安全性について
多くの野いちごはその名前に「ニガイチゴ」や「ヘビイチゴ」といった毒を連想させるものがありますが、基本的に野生の木苺類は毒がなく食べられます。もちろん、正しい種類の識別が大切ですが、野山で見かけた際は安全なものが多いことを覚えておくと良いでしょう。ハイキングやアウトドアで発見したら、味わってみるのも楽しい体験となります。
まとめ
木苺と野いちごはどちらもバラ科キイチゴ属の植物ですが、木苺は品種改良された栽培種、野いちごは自然に自生する野生種を指します。両者は花や実の大きさ、味わい、見た目で区別が可能です。ラズベリーやブラックベリーは代表的な木苺で、甘酸っぱく食用に適した種類です。一方でクサイチゴ、モミジイチゴ、ヘビイチゴなどの野生種は味に個性があり、食用であっても甘さ控えめだったり、観賞価値がある品種もあります。
ほとんどの木苺と野いちごは無毒で食用可能なので、季節の味として楽しむのにぴったりです。自然の中でその味わいと美しい姿に触れてみてはいかがでしょうか。